恋の病に、堕ちてゆく。
次に目を開けた時、部屋の電気は消されていた。

暗闇に慣れた目で隣りを見ると、青波は背を向けたまま眠っているようだった。


どれほど眠ったのか、朝なのかも分からないけれど、青波が眠っている今がチャンスだ。


部屋にひとつしかないドア。
逃げ出すなら窓より、ドアからのほうがいいだろう。

鍵がかかっているかだけ、確認しよう。


そっと布団を剥ぎ取り、ゆっくり地面に足を下ろす。


痛っ…。
足をつくと、全身に痛みが走った。特に背中が痛い。


なんとか耐えて、音を立てないように忍び足で進む。

どうか、起きませんように。
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