恋の病に、堕ちてゆく。
包帯を巻いてもらうってことは、上半身は裸で!それを青波に任せるなんて、無理に決まってる。全部、見られるじゃん!


「自分で巻きます!」

「背中の傷に薬塗って、ガーゼを当てられるの?」

「…お風呂、止めます。今日は止めます。また明日の朝に入らせてください」

「傷口、なるべく清潔にしておいたほうがいいと思うんだ。丸一日、風呂に入らないと…ね」


青波は言葉を濁してくれたけど、そうだよね。丸一日お風呂に入ってないと不潔だよね。そんな奴と同じ家に居たくないよね。


「…自分で、傷薬も塗ります。ほら、手鏡とかあったら上手くできます」

「……間違えて傷口を触ったりしない?痛いと思うよ」

「注意してやります」

手伝ってもらうよりはひとりで苦戦した方がマシだ。
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