恋の病に、堕ちてゆく。
青波は困った顔をした。

私の傷のことなんて放っておけばいいのに。
青波が心配することないじゃん。

上手く薬を塗れないことも、傷口に細菌が入って化膿するリスクがあることも全部、青波には関係のないことだ。


「包帯とか、準備をお願いできますか」

「背中だよ?ひとりでは無理だと思うよ」

やるしかないの!


「大丈夫です」

「…分かった。包帯の準備ができたら、呼ぶから待ってて」

「ありがとうございます」


助けてもらえなかったし、私にとって警察の訪問は迷惑以外の何ものでもなくなってしまった。

警察が来なかったら、お風呂に入りそびれることもなかったのにな…。
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