幼なじみの不器用な愛し方
「秋山、電車通学だっけ? 俺は自転車だけど、駅まで送るから。もう薄暗くなってくるし」

「えっと……まだ明るいから、大丈夫だよ。自転車ならわたしに合わせると遅くなるし」

「いや、でも……。秋山のこと、実はちょっといいなって前から思ってて……」


……え?

思いがけない言葉に、わたしはぎょっと目を剥いた。


「優しいし可愛いし。そう思っててもなかなか話しかけられなかったんだけど、でも、今ここで会えたのはチャンスだなって。だから、俺……」


告白されている、と認識した瞬間に、頭がやけにクリアになった。

必死に言葉を紡ぐ横川くん。そんな彼を、わたしはどこか遠くから見つめているような気がした。


「ありがとう、横川くん」

「あきや──」

「でも、ごめんなさい。横川くんの気持ちは受け取れない」


わたしはどこまで酷くなれるんだろう。

心が少しも揺れていないことを自覚して、嘲りを含んだ自己嫌悪が感情がわたしを支配する。
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