辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
第四章 胃袋を掴むのは大事です
 ロドリゴは毎日のように王宮に行っているため、エルもまだ王都の屋敷に滞在中である。アルドの結婚式が終わるまでは、辺境伯領には戻らない。
 エミーは結婚式の準備のために時々王都の屋敷を訪れ、アルドと話をしているようだ。
(……アルドはあいかわらずうじうじだ……)
 エミーは腹をくくっているが、どうもアルドはふらふらとしている。
エルは決意した。エミーの胃袋を掴まねばならない。
 辺境伯領に来てもいいと思ってくれたのは、辺境伯領の食材が大きな理由でもあるのだから。アルドへの愛がちゃんとあるのは前提としても、だ。
「というわけで、石窯を作る!」
「石窯?」
 王都の屋敷の訓練所で、騎士団員達の訓練を見学していたエルは右手を突き上げた。
 唐突なエルの宣言に、騎士達は顔を見合わせた。
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