辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 もちろん、厨房にはオーブンがある。あるのは知っているし、しばしば有効活用しているが、今欲しいのは石窯だ。
「エル、ずいぶん唐突だよね? どうして、急に石窯なんか」
「このままだとアルドが捨てられちゃう……!」
 石窯が欲しいと言い出したエルに、ハロンは呆れた顔になったけれど、アルドが捨てられると聞いて表情を改めた。
「それは大変だ。ラス兄さん! メル兄さん!」
 少し離れたところで、メルリノの剣の相手をしていたラースが振り返る。ラースが手を止めたので、メルリノもこちらに向き直る余裕ができたみたいだった。
「エミーさんのために、美味しいの作る!」
「美味しいのって……」
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