辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 情けない顔になったアルドを放置して、エルは酒の樽を抱えてやってきたジャンに声をかけた。
 辺境騎士団の副団長であるジャンは、ロドリゴの腹心の部下であり親友のような関係でもある。
「エル様、どうかなさいましたか?」
「ジャンさんは、今日はお酒の係なの?」
「ええ。若い者に任せると危なっかしいので」
 なんて年よりめいたことを口にしているけれど、彼だってまだ三十代に入ったところ。
 氷の魔術を得意とする彼は、メルリノのように長く伸ばした髪を一本に束ねていた。
 エルを見る彼の目は優しい。ニコニコとしている彼に、エルもまたニコニコとした笑みを返す。
「エル、ピリ辛のスープも作るの。あとで味見してくれる?」
「承知しました」
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