辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
「エル? エルはようじょよ。お父様とお母様の子になったの」
 声をかけてきたのは、エルより少し年上、七歳ぐらいと思われる少年だった。茶色の髪に茶色の目。高級品ではなさそうだが、清潔な衣服を着ていた。
「なーんだ、もらわれっ子か」
「……そうだけど」
 それは事実だ。エルは、カストリージョ家の娘ではなく、エスパテーラ伯爵の血を引いた娘。だが、実の父に疎まれて、魔物が跋扈する森に捨てられた存在。
 わかってはいたけれど、あえて口にされたら胸にずしんと重しを乗せられたみたいな気持ちになった。エルだけ、辺境伯領の人達と血の繋がりがないと突きつけられた気がして。
「だから何? お父様とお母様は、エルが大好きだって言ってくれたもの」
 じわりとエルの目に涙が浮かぶ。
< 35 / 435 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop