辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 三兄弟はそれぞれ自分の役割というものをしっかり認識し、辺境伯領を支えていくつもりでいるのは知っている。
 だが、未来の当主であるラースを、家族とは違う立場から支える人間がいてもいいだろう。王都から来た騎士は、王都に戻ることになるのだろうけれど、そこから繋がる縁もあると思うのは間違っているだろうか。
(……なんて、今私が考えてもしかたがないんだけど)
 エルの中には、成人女性の意識がまだ残っている。
 五歳の身体に引きずられて幼い言動を取ることも多々あるけれど、こうしてじっと座って考えている分には、大人の意識が顔をのぞかせることもあるのだ。
「おし、出迎えに行くっす。お嬢さんはどうします?」
「エルはそろそろご飯作りに行かないと」
 辺境伯家の子供達は、皆、それぞれに仕事を与えられている。
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