辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

舞踏会への入念な準備



 テオ様と教会で生涯の愛を誓った後、二月後に王宮で王家主催の舞踏会が開かれる事を知った。テオ様はもうドレスを頼んでくださっているみたいで……私は嬉しさと皆にお披露目される緊張が混ざり合って、毎日緊張する日々を送っていた――


 「舞踏会にはこの首飾りを着けて行く事が出来ますね!」



 エリーナが嬉しそうに言ってくる。15歳の誕生日にテオ様が贈ってくださった首飾りは、大事にジュエリーケースに入れてずっと飾っている状態だったのだけど、ようやく日の目を見る時が来たと言いたいのね。

 私としてもその為に使いたいと思っていたので、それについても楽しみで仕方ないわ。


 テオ様がどんなドレスを頼んでくれているのかは分からないけど、きっとこの宝飾品たちに似合うデザインに違いないと思うと益々楽しみになっていった。


 王家が主催という事で、侍女たちが私の準備に色めき立っていて、毎日お肌の手入れをされて、マッサージや爪の手入れ等…………頭のてっぺんから足先まで美しくなるように磨かれている感じがする――

 こんな風に念入りに手入れされた事がなかったので、自分が自分でないような、違う自分に変身しているような感覚だった。


 髪もツヤツヤね……爪の形まで美しいし、まだ舞踏会まで一月半もあるのに気合の入りようが凄いわ…………



 「舞踏会では陛下や王族の方々への挨拶があるからね……皆気合を入れているのではないかな」

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