辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

庭師のお兄さん


 このお城に来てから1年以上が過ぎて、季節は春になろうとしていた。

 城の中には小さいけど庭園もあって、庭師のお兄さんが来て庭の手入れが始まっている。これからどんどん忙しくなる季節なので、私は何かお手伝いは出来ないかなと考えていた。


 それに…………庭園の横のあたりでもいいのだけど、菜園を作ってみたい……畑仕事が好きで、リンデンバーグではこっそり抜け出した時に身分を偽って、農家に交ざりながら農作業をやっていた事もあった。そこでお野菜をいただいた事もあったり……これはテオドール様には言えないわね。

 王女が畑仕事をしていただなんて。エリーナは一緒に手伝っていたから知っているけど……


 「エリーナ、今日も庭師の方は来ている?」

 「はい!もうすぐ春ですから色々やる事が増えているみたいで、毎日来ていますね~気になりますか?」


 「………………少し」


 エリーナには全てお見通しよね。観念して菜園の計画をエリーナに話した。

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