制服レモネード

「見た目は真面目そうなのに案外バカなのか」

「ちょ、赤点なんて人生で初だよ!自分でもびっくりだし。っていうか、見た目で人のこと判断するなって言ったのは龍ヶ崎くんでしょ?」

「必死すぎ」

持っていたペンを置いて龍ヶ崎くんの方を向いて話すと、その一言だけ言われてかわされた。

一見見た目は不良だけど、頭の回転は速そうというか、意外だな。きっと勉強だってやればできるタイプなのに追試なんて。

「追試教科いくつあんの」

「英語だけ。あとは全部いつも通り平均点って感じで」

「ふーん。苦手なのか?英語」

「もともと苦手なんだけど、今回はその、色々考え事してたら解けなくて、白紙で出しちゃって」

恋愛の悩みで勉強に支障が出るなんて、1番かっこ悪いよなぁ。

「まじかよ。ほんと、初めて会った時からだけど、お前変わってんなー」

年下の不良、龍ヶ崎くんにお前って呼ばれるのは嫌な気が一つもしない。

むしろ、職員室であんな暴れ方をしていた人がこうして普通に話してくれること、嬉しいなって素直に思う。
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