【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

王太子Side



 ニコライからオリビアの体調が思わしくないという話を聞き、自身の馬を飛ばして予定通り公爵家のマナーハウスには1日半ほどで着いた。

 
 急いで飛び出したのでほとんど何も用意をして来なかったのだが、日ごろから鍛錬している肉体にはさほど影響はなかった。途中宿に泊まろうとも思ったが、早くオリビアに会いたくて夜通し飛ばしてしまった……あれほど冷たい態度だった自分の変わりように自分が一番驚く。


 きっと私が来たら驚くだろうな……何しに来たと言われてしまうだろうか。そんな不安を振り払うかのように馬を飛ばした。

 
 私は昼頃にマナーハウスの門まで辿り着いた。門番が「何者だ」と立ちはだかる……無理もない、このスピードで馬で駆けてくる者がいたらまずは怪しむであろう。事前連絡もしていなかったので、家令から何も聞いていないだろうしな。


 「私はハミルトン王国王太子、ヴィルヘルム・ディ・ハミルトンだ。門を開けてくれ」


 「は……ははっ!!」

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