【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

ドキドキと寒気



 殿下の馬に乗せられ、あっという間に私たちはマナーハウスに戻って来た。王太子の馬って本当に早いのね!そんな事をのんきに考えていると、私たちの到着を待っていたかのようにロバートが飛び出て来て、マリーやソフィアも駆けつけてくれた。


 「お嬢様!お怪我はありませんか?!申し訳ございません…………あの時、何としてもお止めしておくべきでした!王太子殿下にも申し訳なく…………」

 「ロバート…………あなたのせいではありません。私が無理を言って行かせてもらったのにそんなに謝る事はないわ」

 
 ロバートの狼狽ぶりが可哀想になり、自分が後先考えずに行動した事によってここまで心配をかけてしまうなんて…………自分の軽率な行動をちょっと反省しなければ。


 「そうだな、今回ばかりは君も反省しなければならないね。君に何かあると、心配する者が沢山いるのだから……」

 
 そう言って殿下は私の髪をひと掬いし、自身の口に持っていく。何、この甘々な態度は………………顔は笑顔を保ちつつも寒気が止まらない私だった。

 ふと周りを見てみると、マリーやソフィア、ロバート達が赤くなっている…………穴があったら入りたい。違う意味で顔に熱が集まってくる。
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