【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「ご挨拶が遅くなってしまって、こちらこそ申し訳ない気持ちですわ。折り入ってヤコブ司祭にお聞きしたい事がありますの。お父様からの重要なお話になりますから、一度マナーハウスの方に来ていただけません?ここではちょっと……」

 「はぁ…………しかし私には本日やらねばならない務めがありまして……いつお伺い出来るか」

 「そう……残念だわ。ヤコブ司祭にとっては有意義なお話になると、お父様からは聞いておりますの。明日になるとそれもどうなるか……急いで伝えてくれと言われてきましたので」


 そう言ってチラリと司祭と見ると、やはり”公爵家からの有意義な話”というのが魅力的だったようで、尻尾を振ってついて行くと言い始めた。ヴィルの言う通り、本当に権力に弱い人間なのね…………なんてあっさり乗っかってくれるのかしら。


 司祭はすぐに行くと言って身支度をしたら、教会から勇んで飛び出して来た。


 「さぁ準備は出来ました。マナーハウスに行って公爵のお話を伺いましょう」

 「今日のお勤めはよろしかったのですか?」

 「あぁ、そのような事は私の勘違いだったようですな。今日はたっぷりお時間を取れそうです……」


 「そう……お時間がたっぷりおありになるのね、それは楽しみだわ」
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