【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 お父様はとてもニコニコして仰っているけど、何やらヴィルへのただならぬ圧を感じるわ…………これは私を冷遇していたヴィルへの静かな怒りね。私って本当に愛されているんだなって感じて、何だか嬉しくなってしまった。


 「クラレンス公爵、すまなかった……私が不甲斐ないばかりにオリビアには惨めな思いをさせてしまった。そして彼女が命を狙われてしまったのも私の責任だ。本来なら私が全力で守ってやらねばならなかったのに……」

 「それは違います。オリビアを殿下の婚約者にと陛下に勧めたのは私なのですよ。そして二人を会わせたのも……それが私の罪です。あの時の事をどれだけ後悔したか」


 お父様もヴィルも自分の事を懺悔して、私を責めようとはしないのね。


 「オリビアの幸せをジョセフィーヌにあれほど誓ったのに私の手で危険に晒すような人生にしてしまった…………」


 お父様の美しい瞳からハラハラと涙が零れ落ちて…………相変わらず美しい涙だわ……私はたまらなくなって立ち上がり、お父様の美しい顔を抱きしめた。
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