【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
第四章

ブランカ・メクレーベルの憂鬱 ~ブランカSide~



 私は伯爵家のブランカ・メクレーベル。一人娘だったので、両親にはとても可愛がられた記憶しかない。

 美しいゴールドの髪に甘い顔、男性は自然と寄ってくるし、今まで不自由した事はなかったわ。でも私がなりたいのはお姫様であって、他の令息には興味がないの。王子様と結婚するのが子供の頃からの夢だった。

 
 この国のヴィルヘルム王太子殿下は、その点でとても見目麗しく、強く、男らしいし、私にとって理想の王子様だった。


 この方の隣に並びたいと、小さい頃から淑女教育にも熱心に取り組んだし、日夜努力していた。


 でもその私の夢も9歳の時に儚く散る事となる。公爵家のオリビア様に横取りされ、ショックで10日は寝込んだ。


 でも自分の方が美しいとお母さまは言ってくれるし、あんなお堅い女に負けはしない……女の魅力を磨くのよ、と男性と少しのたしなみ程度には遊んでみたわ。


 どの男も王太子殿下には遠く及ばないくて……やっぱりあのお方は特別な方なのね。それでこそ私に相応しいというもの。
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