【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
 
 優雅に扇を広げながら、自信たっぷりにこちらを見据えて話してくる。元から母上の母国に売っている事に母上が関わっているとは思ってはいないのだが…………正直この件に関わっても何のメリットもないからな。まぁこちらも疑っている風に見せておいた方が、母上も少しは動きにくくはなるだろう。


 「まぁいい。それにしても……あれだけオリビアの事を下品な女だと注意しておいたというのに、近頃は随分仲良くしているようではないか」

 「…………それについても母上には関係ないお話かと。それにオリビアは下品な女ではない。母上と言えども口を慎んでもらいたい」

 「なっ……!」


 「ふっ……あなたの周りにいる令嬢の方がよほど下品だと思いますがね。いったい何人の令嬢にオリビアの悪い噂を流したのです?」

 「………………っ」


 図星を指されて扇を握りしめ、怒り狂っているな。これ以上刺激したら発狂しそうな勢いだ、面倒だからそろそろ執務室にもどるか――――
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