【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 陛下は手に入りにくいとは言うが………………植物……豊穣の力………………増殖………………


 「…………まさか、それで聖女の力が……?」

 
 私は自分でも気付かない内に声に出していたようで、私の言葉を聞いて二人が一斉に私を見る。陛下がかつてないほどの冷ややかな目をしながら私を見据えていた――――


 「…………王妃殿下、聖女とは?」

 「……………………………………」


 「…………ふむ。どうやらそなたとは、じっくり語り合わねばならないようだな、王妃よ」


 その言葉で私は、人生で一番のしくじりをしてしまったのかもしれないと思った…………その日はハミルトン王国に来て、最も陛下と一緒にいる時間が長い日になったのだった。


 
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