【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

贈られてきたドレス



 アングレア伯爵家から帰った翌日、王都の民には教会への納税義務撤廃と市場税減税が大々的に公布される。

 それによって民は喜び、教会や貴族は沈黙した。


 プライドもあるのでしょうし、納税出来ないとは言えないものね。

 内心はとても腹立たしい貴族が多々いるでしょうけど。

 お父様はというと――――


 「いやぁ、こんなに思い切った政策をされて、凄く清々しいね」


 朝食後に隣に座ってお茶を飲みながら話しているお父様の声色が、ご機嫌なのが伝わってくる。私の膝に座っているソフィアもお父様のご機嫌に驚いている様子だった。


 「とてもご機嫌ですわね、お父様……」

 「教会の肩を持ってばかりいる貴族派にとって、皮肉とも取れるような処分だからね。でもこのまま大人しくしているとは思えないけど」


 お父様の瞳がほんの少しほの暗くなる。

 そうよね、今回のは教会の処分であって、貴族派からしたらとばっちりなところもあるし……教会と懇意にしていた貴族にとっても痛いのだから。
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