【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

様々な人間模様



 ハミルトン王国はその昔、カサンブリア王国の一部だった。

 カサンブリア王国の王制が腐敗し、各地の諸侯が反旗を翻し王国が崩壊、ハミルトン、レジストリック、ナヴァーロ、それぞれが国として独立したのがハミルトン王国の始まりだった。


 独立するにあたってハミルトンは戦闘集団でもあった騎士団と結託し、国を拡大していく。アングレア伯爵家などはそこから派生された諸侯だというのは王太子妃教育の歴史で学んだ。


 我が国の建国祭はカサンブリア王国から独立した日の事で、かつて共に独立したレジストリック王国、ナヴァーロ王国も同じように建国祭を行っている。

 今回の建国祭では同盟国からの王族が出席しており、王妃殿下の母国のドルレアン国からはレジェク王太子殿下が出席していた。彼女にとっては甥にあたる人物だ。


 私はパーティーが始まり、まずはヴィルと一緒にレジェク殿下に挨拶する事にした。


 王妃殿下の甥だけど、正直顔は似ていないわね。ダークブルーの髪は長く、右側にゆったりと1つにまとめられている。王太子というより、聖職者のような衣装だわ……お国柄なのかしら。


 「お久しぶりです、ヴィルヘルム王太子殿下。そしてお初にお目にかかります、クラレンス公爵令嬢。ドルレアン国王太子のレジェク・フォン・ドルレアンと申します」

 
 レジェク殿下は私の手を取り、甲に口づけをする挨拶をしてきた。
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