【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「ごめんなさい、ヴィル。私が悪かったのよ、そろそろ中庭に行きましょう」

 「オリビア……わかった、行こう」


 私が入口に行こうとすると「そう言えば……」とヴィルがブランカ嬢達の方を振り返り「私が婚約者に望むのはオリビアだけなのは覚えておいてもらおう。可哀想どころか、私は幸せ者だ」と告げる。

 その笑顔の破壊力たるや…………顔が赤くなるのを見られたくなかった私は、そそくさと一人で中庭に移動したのだった。



 中庭は吹き抜けになっているので、外の空気が吸えて気持ちいい――――



 噴水周りには沢山の植物が植えられていて、壁側にも沢山の木が植えられているし、森にいるかのように植物が犇めいている。噴水周りにはベンチも配置されていたので、私はその内の1つに腰をかけた。すぐにヴィルがやってくるだろうと思って。

 
 見上げると綺麗な夜空に沢山の星が煌めいている………………素晴らしい星空にうっとりしていた私は、完全に油断していたのかもしれない。

 

 皆に一人で行動しないように、と言われていたのに。


 
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