【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私の膝に乗りながら、顔を輝かせて花火を見ているソフィアが可愛いわ。初めての花火が王宮でだなんて素敵。そこへもう一人の小さな男の子の声が響き渡る。
「兄上ーー!」
「フェリクス!」
第二王子のフェリクス殿下がヴィルのところに駆け寄ってきたのだった。フェリクス殿下は御年6歳くらいのはず。
「兄上と一緒に花火が見たくて、来てしまいました!僕もご一緒させてください」
「仕方ないやつだな。母上はいいと言ったのか?」
「こーんな顔で”好きにするがよい”って言ってました」
思わずふき出してしまう。すっごく似てるわ!フェリクス殿下は年の近いソフィアを見つけると、ニッコリ笑って微笑みかけた。
これは人たらしな感じがするわね……
花火は止まる事なくどんどん打ち上げられ、終盤になるにつれて勢いを増してくる。
終盤になる頃には子供たちは花火にも飽きてきたのか、フェリクス殿下とソフィアが一緒に遊んだりしていた。子供ってやっぱりそうなるのよね。