【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
第六章

聖女降臨



 幸せな夢を見て、目覚めも快適だった翌日、突然のニュースに王都は騒然となる。

 明け方、教会に聖女が降臨したのだ。


 お父様は慌てて王宮に飛んで行って、夜になっても戻って来ない。

 当然よね……きっと聖女様の対応について協議しているに違いない。公爵邸でも話題になるくらいだもの……

 この時期に召喚されるなんて、小説の中身とは時系列が全く変わってしまったのね。そもそも私が転生して、領地であれこれした事も影響を与えているのだろうし、仕方のない事なのかもしれない。

 本来ならヴィルの卒業記念パーティーが終わってから現れるはずだった聖女様。この時期に現れたという事は卒業記念パーティーにも参加するのだろうし、パートナーはヴィルになるのかしら……そうなっていくのよね。


 この小説ではそういう設定だし、王妃殿下も彼と聖女様をくっつけたかったくらいですもの。



 結局お父様はその日は帰って来なくて、2日ほど王宮に泊まり込んで対応に追われていたらしい。

 お父様とまともに話せたのは聖女様が召喚されて4日目の夕食だった。
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