【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 左腕は使えないし、私が手伝いながら時間をかけてゆっくり食べさせるてあげると、やはりあまり量が食べられなかったようで残念そうな表情のソフィアを励ます。

 「これから、まだまだ沢山食べられるわ。徐々に食べられる量も増えていくから大丈夫よ。そうだ、オヤツにこのパンを包んで持って行きましょう。」子供にはすぐにエネルギーになるオヤツも必要よね。

 
 「マリー、お願い出来る?」

 「もちろんです!」とマリーがせっせと包んでくれたのを見ながら「後で馬車で一緒に食べましょう」とソフィアにウィンクすると、満面の笑みがこぼれる。
 あぁ…………天使っているのね……

 
 そんな事を考えながら、宿屋に別れを告げ、ソフィアと手を繋ぎ馬車へと乗り込む。
 
 乗り方が分からないソフィアは馬車の入口で戸惑っていたのだけど、ゼフがひょいと軽々とお姫様抱っこして乗せてくれた。

 ソフィアはちょっぴり赤くなっていて…………可愛い……ゼフは相変わらず無表情だけど。男手があって良かったわ。ソフィアが私から離れたがらないので行きは私とソフィアが隣同士で、向かいにゼフとマリーが座る形となる。

 
 そしてゆっくりと馬車は公爵領へと走り始めた――――

 
 
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