【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

プロポーズと事件のその後


 
 その様子をひとしきり見てホッとしたのか、突然膝の力が抜けてトスンッと尻もちをついてしまう。


 「…………あら?」

 「オリビア……大丈夫か?」


 ヴィルが突然頽れた私を心配して、しゃがみ込みながら顔を覗き込んでくるので大丈夫、と言いたいところなんだけど…………


 「………………あんまり大丈夫じゃないみたい。足に力が入らなくて……」


 こんな事は初めてで苦笑いするしかないわね。極度の緊張から解放されたから気が抜けちゃったのかしら……そんな私をヴィルがひょいと横抱きにして持ち上げた。


 「ちょ、ちょっとヴィル!」

 「少し我慢してくれ。公爵、先にオリビアを送らせてもらう」

 「え?あ………………分かりました」


 お父様は色々思うところはあったのだろうけど、状況も状況なだけに苦笑いしながら了承している。

 私は皆に見られている恥ずかしさで顔を上げられないでいると、用意されていた馬車にヴィルと乗り込み、皆より先に王都へと帰る事になったのだった。

< 499 / 512 >

この作品をシェア

pagetop