【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

図書館の紳士


 皆で市場をめぐった後はお昼ご飯を広場で食べ、しっかり楽しんだ私は、翌日から数日間微熱が出てしまった。やりたい事は沢山あったんだけど……こうなってしまっては仕方ないわね、マナーハウスでゆっくり過ごしましょう。
 

 よく考えれば6日間高熱で寝込んで目覚めてから、体力回復させながら領地に行く準備したり、領地に行く道のりで子供と戯れたり、こっちに来てからもすぐに出かけたり…………かなりの強行軍よね。前世では動いている事が当たり前だったからすぐに行動したくなっちゃうんだけど、貴族女性はもっとゆったりな生活のはず。
 
 こんなにバタバタ動いたら体力がもたないのかもしれないわ。でもせっかく貴族女性に転生出来たのだから、乗馬とかしてみたいのだけど……今度マリーにお願いしていみよう。
 

 どうせ王太子妃にはならないんだし…………うん、せっかく転生したんだもの、やりたい事をやった方がいいわよね!

 
 微熱が下がるまでの間は、近くの公園に散歩に行ったり、ソフィアやマリーと中庭でお茶をしたり、ソフィアとお昼寝したり…………無理せず動いた。微熱が下がり少し体力が回復してきたので、マナーハウスの隣にある図書館にソフィアを連れて行った。まずは文字を教えなければならないわね。
 私はというと、幸い文字に関しては元々の知識として備わっていたのか、転生した後も問題なく読めている……なんてチートなの。

 
 ソフィアにはまず読み方を教え、同時に書く練習もさせてみた。前世では教師じゃなかったから教え方に自信はないけど、私の不安をよそにソフィアはどんどん読めるようになったし、書くのも上手だった。怪我をしたのも左腕だったから、おそらく利き手は右だと思っていたので無事に書けている様子だった。

 
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