美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……椎名さん」

「知らないよりは知っておいたほうがいいし、対策はみんなで考えますから。まずは、旦那様のことですが、おそらく清水さんとお会いになればお許しになるかと思います」

「……え?」

「それは、旦那様が蓮様を尊重して信じているからにほかなりません。それにもう一つ理由があります。あなたは旦那様のお母さまの親友のお孫さん同様です」

「……そうですけど……でも……私は、ただの花屋です」

「それはそうでしょう。旦那様のお母上の親友だった先々代の店長だってただの花屋だったんですからね」

 椎名さんは面白そうに話す。
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