美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 するとすぐに店の人が来て、飲み物のメニューを持ってこられた。

「すでに神崎様からシャンパンとコースのご用命を頂いておりましたので、そちらはお運びしますがどうなさいますか?」

「それでしたら、それだけでいいです」

「わかりました」

 お水を入れてくださり、下がっていかれた。

 しばらくして、店がざわざわしだした。私は入り口に背中を向けて座っていたせいで気づかなかった。

 振り向いたら、彼が歩いてきた。すごく素敵。スーツ姿久しぶりに見た。見るからにいいものだとわかる。
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