美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 伯父は痩せたが目だけは前よりしっかり光り輝いていた。

「さくら受賞おめでとう。そして、これからは自分の力を信じて思うようにやりなさい。今回の受賞がお前を新しい道に連れて行ってくれるだろう。店の権利は完全にお前に譲るよ」

「ありがとう、伯父さん」

「さくら。最初、彼が資金援助を申し出てくれたときから、お前に興味があったんだろう。かの有名な玲瓏皇子もお前におちたんだな」

「……あなたったら」

 伯母さんが驚いたように伯父を見た。
< 298 / 402 >

この作品をシェア

pagetop