美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「素直で一生懸命。それがお前のいいところだ。花を扱うものが邪心を抱いたらだめだ。その林大臣の娘さんが何を考えているかわからないが、お前を利用しようとしたり、名取さんも巻き込んだ段階でいずれ報いが来る」

「……伯父さん」

「彼を信じなさい。恐らく、お前を守るため全力を尽くすだろう。彼に独立すること話してないのか?」

「このあと、行ってきます」

「……さくら、私たちはあなたたちがお付き合いしているんだろうと思ってた。独り暮らしを始めたのも、そういうことかと思っていたの」

「さくら、身分とか考える必要はない。最初に話しただろ、おそらく神崎社長夫妻はお前とのこと反対なさらないと思う」
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