結婚お断りします！イケメン准教授からの執拗なプロポーズ

マンションに帰って来てから、スマートフォンを掴み、先生へのメッセージを書いた。

【先生と結婚できません】

その後の言葉が見つからない。
ただ結婚できないだけでは先生を説得する事はできない。
何と書いたら先生は諦めるだろう。

メッセージを考えていたら、スマートフォンが鳴った。電話だった。
瑠璃さんの名前を見て、胃がチクッとする。一番苦手な人だ。

でも、瑠璃さんが電話してくるのは珍しい。
私に用がある時は姫香が瑠璃さんの用件を伝えていた。

無視しようと思ったけど気になって通話ボタンをタップした。

『桜ちゃん、大変よ。お父さんが倒れて、ベリが丘総合病院に運ばれたわ』

瑠璃さんの涙声に驚いた。
泣く程、父の容態は深刻なんだろうか。

『心筋梗塞で今、緊急手術を受けている所なの』

心筋梗塞！！

『桜ちゃん、来てくれる？』
「すぐに行きます」

通話を切って、コートとバッグを持って部屋を出た。