結婚お断りします!イケメン准教授からの執拗なプロポーズ
思えばホテルで再会した時から先生に心配されていた気がする。藤堂とのお見合いの話をしたら先生は思いつめたような顔をしていた。そして、偶然居合わせた藤堂に私を諦めるように言ってくれた。父にも二度と私と会うなと意見してくれた。

なんでそこまでしてくれたんだろう?
教え子だから?

私の部屋に来た時だって、不動産屋の封筒を見て先生は顔色を変えて、どうして先生を頼らないのかと叱られた。

――僕は九条さんの盾になりたいんです。

あの言葉は先生の本心だったのかな。それとも、都合よく私を利用する為の言葉?

先生の気持ちがわからない。
先生の事を考えると悶々とする。

一層の事、先生に聞こうか。なんで私を心配するの? どうして私の盾になりたいの?
先生は何と答えるだろう?

よし。先生の所に引っ越しのご挨拶と質問をしに行こう。そう決めて立ち上がった時、テーブルの上のスマートフォンが鳴った。
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