クズな君と恋したら





「えぇ……」


心になら、言ってもいいのかな……。

すごく信頼できて、約束はきちんと守る硬派の心。


きっと、綾都も納得してくれる。





「ぼ……ボディガード……ってやつ?かな……」


「そ、そうだったの!?」




驚いて大きな声をあげる心。

そりゃそうだよね。いきなり転校してきた人が、親友のボディガードでしたなんて。


しかも同じ高校生として。



こくりと頷くと、心はさらに興味津々といった感じで目を見開いた。




「だからあんなに水上さん、夏芽のこと見てたんだぁ……」


「え?」


「え、気づいてないの?」



きょとんとした表情をする心に首を傾げる。



「水上さん、ことあるごとに夏芽のこと気にする素振りしてたから、てっきり好きなのかなって思ってたけど」


「は、はぁ……?」



綾都が私を好き……?そんなの、絶対にないない!



「それに、昨日も言ったけど、水上さんが夏芽をみる目がそれはもうすっごい優しくて……!」



うっとりと目を潤ませる心。

さては心、ボディガードだってわかった今でも変な勘違いしてるんじゃ……!



「ぜっ、絶対にないから!ただのボディガード!」


「えぇー……お似合いだと思ったんだけどなぁ」



お似合いだとか、優しい眼差しとか。まるで冷やかされる両片思いの男女みたいじゃない。


少しだけ暑くなった顔を手でパタパタと仰ぐけれど、一向に引く様子はない。









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