キミに「好き」だと伝えたい


そうして、1時間ほどが過ぎていき……。


時刻は、もう少しで20時となるところ。


このお祭りのメインである、打ち上げ花火の開始時刻が迫っている。


私と海は花火を見るため神社の境内へと移動し、石段へと並んで腰をおろす。


毎年私たちは、この神社の石段に座り花火を見るのがお決まり。


「花火、もうすぐだね」

「ああ。楽しみだな」


海の言葉に頷くも、私は目線を下へと向ける。


夏の風物詩である花火は楽しみだけれど。


打ち上げ花火が始まってしまったら、今年もあと少しで夏祭りが終わってしまう。


──ヒューッ。


風を切るような音が聞こえたかと思えば、すぐに大輪の花が夜空に次々と咲き誇る。


あっ。花火、始まったんだ。


色とりどりの美しい花火が何発も打ち上がっては、夜空を輝かせていく。


「わぁ、きれい……」


夏の夜空に咲く花のあまりの美しさに、私は目が離せなくなる。


この綺麗な花火が、永遠に続けばいいのに。


私は海の隣でこうしてずっとずっと、花火を見ていたい。


お祭りも花火も、まだ終わって欲しくないよ。


だって、このお祭りが終わってしまったら海は……。


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