愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
だったらなんで、離婚なんて言い出したの?
頭は混乱するばかりで、少しも事情が飲み込めない。

「でも、こんな滅茶苦茶な条件で望まない結婚をした花琳に申し訳なかった。
好きでもない僕に縛りつけず、花琳を解放してやりたかった。
だから、離婚を切り出したんだ」

あの離婚が私を気遣ってのものだったって初めて知った。
宣利さんはこんなにも私を考えて、離婚を切り出してくれたんだ。

「ならあのとき、気持ちを伝えてくれたら……」

私はどうしていたのだろう。
離婚をやめていた?

どーん、どーんと花火が上がる音が響く。
色とりどりの光が彼の顔を照らした。

「好意のない男に好きだと言われても気持ち悪いだけだろ。
それにあっさり花琳が離婚届にサインして、やっぱり僕に気持ちはないんだなと失望した」

じゃあ、あのとき、私が離婚したくないと言っていれば別れずに済んだの?
私はいったい、なにをやっていたのだろう。
後悔したところで時間は巻き戻せない。

「まあ、それでも花琳を抱きたいなんていう、卑劣な男だけどな、僕は。
しかも子供ができれば戻ってきてくれるんじゃないかなどと」

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