続▪︎さまよう綸

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 7月6日の高須本家は朝から、表からも裏口からも訪問者が絶えず、住み込みの組員が休みの者まで総出で警戒、対応に追われていた。綸29歳の誕生日だ。

 だが綸、本人は…真夜中12時までに正宗が

「28歳の綸を味わう最後の夜だ」

 と、味わうどころか食いつくしたため意識朦朧とした中で6日を迎えた。そして日付が変わった瞬間

「誕生日おめでとう、綸。29歳の綸を初めていただく」

 と、正宗が覆い被さった。

「綸っ…昨日までより綺麗だっ」

 数分前と比べて綺麗だと言いながら正宗は綸を小刻みに揺らす…彼女の足を片手でまとめて持ち上げ、深く綸の奥を痺れさせる…もう肺から空気を出すことしか出来ない綸は絶頂寸前の状態を長く保たされ気が狂いそうになり、いっそのこと意識を飛ばしたい…ぼぉーっとする脳でそう考えた途端…ああぁ…ぁ…体を大きくうねらせた後、下腹部を痙攣させ気を失った。

「…悪い…やり過ぎた…」
 
 ぐったり横たわる綸の髪を撫で額にキスをすると、正宗は熱いタオルを絞り綸の体を隅々まで丁寧に拭く。何回かタオルを交換し丁寧に拭き終えると自分はサッとシャワーを浴び、まだ目を覚ますはずのない綸の元へ駆け戻る。酸欠で気を失った瞬間と違い、落ち着いた寝息になっているのを確認すると自分の頭をガシガシと拭きベッドに横になる。もちろん綸を腕に閉じ込めて。
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