情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
正当な権利




 リビングの窓際、ソファへと座ると執事さんがテーブルに紅茶とお菓子を置いた。


「ありがとうございます」
「いえ、と、とんでもございません。では失礼します」


 執事さんは、綺麗なお辞儀をしてリビングから出ていった。この部屋には、私と八尋さん、八尋さんのお父様がソファに座っており斜め後ろに先ほどの秘書さんが立っている。



「今日お邪魔したのはね、君の権利を話にきたんだ」

「権利、ですか?」

「あぁ。私はね、優菜ちゃんのお母様で酒井家前当主だった優美さんとある約束と契約をした」


 約束と、契約……?



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