情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
キスは触れるようなものだったが、だんだんと甘く激しい獣のように食べられてしまいそうなキスに変わる。
「んっ……」
いつもは優しいキスなのに、こんな濃厚なキス初めてで戸惑い息がうまくできず八尋さんの胸板を押すが離れてはくれなかった。
「優菜ちゃん、俺我慢できないからベッド行こう」
「えっ、お、オムライスは?」
「……後にするよ」
それからひょいと横抱きされて、拒否することもできないままベッドに連れて行かれて押し倒される。
「優菜ちゃん、俺以外の男とは会わないで」
「……えっと、八尋さんのお知り合いでも?」
「うん。ダメ。男はダメだよ……君は可愛いんだから」
「……んんっ」
その後もキスをされ、あっという間に脱がされてしまって八尋さんに愛でられながら甘い一夜を過ごした。
「……優菜、愛してるよ」
「私も、八尋さんが大好きですっ」
八尋さんにそう伝えると、彼から伝わる熱が快感を誘い抱きしめられ幸せを感じながら達した。
そして、その一ヶ月後。
私の中に宝物を授かることになるなんてこの時の私には予想すらしていなかったけど――それはまた、別のお話。
完


