イケメン吸血鬼を救え!ー私の血を貴方にー


屋敷の中。

客間の中で私と2人のイケメン男性が集まった。


「あのー…どうして、私はここに連れてこられたのですか?」

「単刀直入に言う。お前は〝甘い血の持ち主〟なんだ。俺を満たしてくれる血」

「え?私が…ですか?そんな、何かの間違えでは?だって、私…」

「普通の人間」

「え?」

「貴方は、人間に愛されてますよね?」

「?」

「まだ、分からない…と?」

「お前は、〝吸血鬼の話が好き〟だろ?それなら、分かるだろ」

「私が…甘い血の持ち主で選ばれし者」

「そうだ。嬉しいだろ。
さぁ、どうする?ここで俺たちと共に一緒に暮らすか、元の世界に戻るのか。もし、戻りたいのであれば…そうだな、ここでの記憶を消し吸血鬼という存在を消す」

「…っ、ここに…残ります」

「だろうだと思った。さぁ、おいで俺の元に」

私は、ミーラの手をとった。

と、思いきや体が跳ねた。

「?」

「ごめん、やっぱり無理だ!」

シャラさんが、触れようとすると…

「触るな!」

ミーラさんは、その場から飛び出した。

シャラさんは、困り顔で…

「ごめんね?ミーラは、人が触れようとするとパニックを起こすんだ。嫌な記憶が疼くらしい」

「そうだったんですね…だから、私が選ばれたと」

「そういうこと。長くなると思うけど宜しく。ミーラは、根は優しい方なんだ」

私は、ミーラが飛び出して行った扉を見つめた。

< 10 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop