イケメン吸血鬼を救え!ー私の血を貴方にー
屋敷の中。
客間の中で私と2人のイケメン男性が集まった。
「あのー…どうして、私はここに連れてこられたのですか?」
「単刀直入に言う。お前は〝甘い血の持ち主〟なんだ。俺を満たしてくれる血」
「え?私が…ですか?そんな、何かの間違えでは?だって、私…」
「普通の人間」
「え?」
「貴方は、人間に愛されてますよね?」
「?」
「まだ、分からない…と?」
「お前は、〝吸血鬼の話が好き〟だろ?それなら、分かるだろ」
「私が…甘い血の持ち主で選ばれし者」
「そうだ。嬉しいだろ。
さぁ、どうする?ここで俺たちと共に一緒に暮らすか、元の世界に戻るのか。もし、戻りたいのであれば…そうだな、ここでの記憶を消し吸血鬼という存在を消す」
「…っ、ここに…残ります」
「だろうだと思った。さぁ、おいで俺の元に」
私は、ミーラの手をとった。
と、思いきや体が跳ねた。
「?」
「ごめん、やっぱり無理だ!」
シャラさんが、触れようとすると…
「触るな!」
ミーラさんは、その場から飛び出した。
シャラさんは、困り顔で…
「ごめんね?ミーラは、人が触れようとするとパニックを起こすんだ。嫌な記憶が疼くらしい」
「そうだったんですね…だから、私が選ばれたと」
「そういうこと。長くなると思うけど宜しく。ミーラは、根は優しい方なんだ」
私は、ミーラが飛び出して行った扉を見つめた。