イケメン吸血鬼を救え!ー私の血を貴方にー
2 KIOKUー1ー
「ハァハァ…」
誰もいない廊下。
俺は壁に寄りかかる。
ダメだったじゃないか!
シャラめ!
あの日_______…
『…_____人間界で、女を拾う?何言ってるんだ。お前は』
『吸血鬼界で、広まってる噂〝人間界には、甘い血の女がわんさか居る〟みたいで、1人特別で格が上の人間の女の子が居るんだ』
『で?そんなの、どうすんだ』
『ミーラが先生になってその子をここに連れ込む』
『お前!正気か?!ただでさえ、人間界は危険だしなおかつ…先生って。お前、頭どうかしちゃったのか?』
『僕は、本気だよ?ミーラと一緒になるまでは。もう、手配はしてある。そして、女の子の名前は〝穐本灯莉〟』
_________って、連れてきたはいいものの…これからどうすんだよ。
人間の女と一緒にここに住むって…
案外…やばい事してるんじゃないのか?
「はぁ〜…」
先が思い殺られる。
「ねぇ」
「うわぁ?!」
「ごめんなさい、驚かせちゃって」
「ほんとだよ。で、なんだ。元の世界に帰りたいなら帰ってもいいぞ。さっき言った言葉は…シャラに言わされただけだから」
コツ…コツ…
「近寄るな」
「どうして、そんなに触れる事が嫌いなの?」
「べ、別に…お前には関係ないことだ」
「教えてくれないと分からないな」
「お前…ほんとに、特別なんだな」
「へ?」
「まぁ、いい。そこで聞いてろ」
俺は過去のことを話始めた。