悪魔なあなたと結婚させてください!
☆☆☆

アレクとの買い物は思っていた以上に充実したものになった。

まさかアレクにファッションセンスと経済力があるなんて、と驚いたけれど、そのギャップにキュンとしてしまったことも事実だった。

色々と買い物をしている間にアレクと一緒にいると人目を感じることにも気がついた。
相手は若い女性がほとんどでアレクを見て「きゃあ」と小さく悲鳴を上げる子までいた。

みんなに共通しているのはまるで恋する乙女みたいに頬を赤らめていたことと、隣を歩く幸を見てあからさまな嫌悪の表情を浮かべたことだった。

「ふぅ、疲れた」

買い物ではなくて、女の子たちの視線に疲れてしまった私はファッションビルを出ると同時に大きく息を吐き出した。

だけど外へ出たからと言って視線から逃れられるわけではない。

今日は休日で人の往来は多く、ビルの中にいたときよりも遥かに沢山の視線を感じる。

アレクはこれほど人に見られてなにも感じないんだろうか。
「少し休憩するか」
< 151 / 207 >

この作品をシェア

pagetop