悪魔なあなたと結婚させてください！

「あ……」
鏡の中の自分をみて幸は小さくつぶやいた。

体フィットしたTシャツなんて絶対に嫌だったけれど、こうして上着をあわせて着てみるとちょっと痩せてみえる。

「細い部分を出すことで痩せて見えるんだ」
アレクの説明に納得してしまう。

「足首や手首を出して細いアンクレットやブレスレットをつけるのもいい」
「す、すごいね」

どこでそんな知識を得たのか関心してしまう。
そしてアレクが選んでくれた服は実際に自分に似合っているから反論もできない。

「とりあえず、今日はそれを買ってやる」
「え、買ってくれるの？」

てっきり自分で買うものと思っていた幸は目を丸くしてアレクを見た。
「俺だってそのくらいのことはできる。お前の婚約者なんだからな」

アレクはふんっと笑って見せたのだった。