何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
悪い癖
視界の片隅に入り込む若い女の影が、カンバスに向かって筆を動かす清宮遼の集中力を途切れさせた。


「もう少し描いていたいんだけど…いいかな」


「いいよ。先生が描いてるの見てるだけで楽しいし」


彼女はアトリエの片隅に置かれた遼の仮眠用のベッドに斜めに座って言った。


鎌倉の海の間近に建つ築五十年の古家。
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