こじらせ男子の橘くんはワケありでした。


ここで『別れたくない』とか我がまま言うのは、

ただのイタイ女だ。


「そっか、わかったよ。」


動揺してるわりに頭は冷静で、

私は明るく振る舞った。


「ほんとごめんな。」


気まずそうにこっちを見る圭吾くん。


─やばい、目合わせたら泣きそう。


「謝らないで、仕方ないことじゃん。でも1つ聞いていい?」


「うん、いいよ。」


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