腹黒王子様の溺愛が規格外。
「また食べにいこーね」

「うん……!蓮くんとなら、どこにでも行きたい……!」

「何それ、本当桜は可愛いね……」


ぎゅっと抱きしめられる。ぐいーと顔を埋めさせるように蓮くんの胸に押しつけられる。

いい匂い……本当に、蓮くんにぎゅっとされると安心する。


それから最高の夕食を食べて、いつも通りベッドに入った私たち。


「桜、あのね」

「うん?」


向き合いながら、蓮くんが少し緊張気味に何か言おうとしている。

私も少し緊張しながら聞いていると……。


「両親に会ってもらいたいんだ」

「蓮くんのご両親に……?」

「挨拶まだだったから……それに、会う前に婚約しちゃったし」

「た、確かに……!」


蓮くんのご両親になら、是非とも会いたい……!!

なんだか胸が躍ってきた。大好きな人の、大好きな人に会うってこんな気持ちなんだなぁ。


「是非会いたいよ!」

「本当?よかった」


はぁとため息をついて、一安心したような蓮くん。


「嫌だって言われたらどうしようかと思ったよ」

「そんなこと思わないよ……!蓮くんのご両親なんだし、きっととっても素敵な人なんでしょ?」

「うーん……まぁね」


ん……?な、なんだろうその微妙な反応。

少し不安になりながらも、きっと大丈夫だと胸を落ち着かせた。


会うのは1週間後に決定。なんと蓮くんの実家に行くことになってしまった。

ただでさえこんなに大きいお家なのに、実家ってことは……なんて考えると少し恐ろしかったけれど、楽しみでもあったのだった。


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