君の嘘から始まる本当の恋
「ここ…」



何も喋らない天峰くんに連れてこられたのは、穴場スポットと有名な海だった。



「見てわかるだろ。海だ」


「いや、うん、それはわかるんだけど…なんで海?」



海に来るような季節でもないし、なんなら寒いのにどうしてわざわざ海なんかに…。



「あ、わかった。天峰くんが海好きだから?」


「ちげぇよ!」


「え、違うの?じゃあなんで?」



天峰くんはそっぽを向いたまま、首の後ろに手をやるとぼそりと何かを呟いた。



「え?なんて?」
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