一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
ヒカリを抱いて、今まで想像でしかなかった事が、全てリアルとなってヒカリという存在を俺にアピールしてきた。

ヒカリの滑らかなしっとりとした肌。
艶のある、上向きのふっくらとした唇。
そこから漏れる甘い声。
熱い体温。

所詮、他の女を抱いた所で、ヒカリの身代わりでしかなかったのだと、改めて知らしめられた。

全く別の感覚だった。

当たり前に、記憶の中のヒカリを勝手に大人に成長させて、閉じた瞳に思い浮かべて。

そんな、おかしな事をしてるとも、もはや気付かないくらい潜在的に。

それが、俺が中学に上がり、高校に上がり。
その頃は、ヒカリも幼くてまだ抵抗していたはずだ。

でも大学に上がってからは、もう完全に受け入れてしまっていた。
もちろん、大人になってからも。
自分でも、当たり前すぎて気付かないうちに。

そんな頃から、そうしていたなんて。

こんな、汚い俺をヒカリに知られる訳にいかない。
俺ですら、自分が怖い。

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