一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
12〜塁side〜
俺は、完全に暴走してしまっていた。

何で結婚したいか?
んなの決まってんだろ。

「お前を守るためだ。」

ヒカリは頭に"?"を浮かべるような顔をしてる。

「まずわかった。んじゃ守って。あとは?」

「あとって、そんな、、、」

そしてハッとした。

俺、いろいろすっ飛ばしてないか?
そもそも、付き合ってとも言ってないのに。
俺の気持ちもちゃんと伝えてないじゃないか。

なのに、指輪をはめて、婚姻届にサインをさせて、家まで買って。

急に恥ずかしくなって、手で口を押さえた。


ヒカリを思う気持ちは嘘じゃない。

ここで言わなかったら、一生言えない。

「あ、、、。」

愛してる。
ただ一言、ずっと昔から思ってたこの気持ちを口から出すだけなのに。
いざとなると、出てこない。

「あ?」

何やってんだ俺は。
しっかりしろよ。ったく。

俺は口から手を下ろして、一度深呼吸をする。


そして、ヒカリを見つめた。

愛しい。本当に。


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