一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ

マッサージを2人で並んで受ける。
うつ伏せになって、顔だけ塁と向き合わせる。

「あー気持ちーさいこー」

親父みたいな声で感想を言う私。

「お前、その声どこから出してんだよ」

塁が笑ってる。

「ああー。きもちー」

白目むいてんなこれ。

「なぁ。笑うからやめろ。その顔も」

って言って、やっぱり笑ってる塁。

はいはい。
やめますよー。

そして黙って目を閉じてれば、

「なぁ。もっかい」

なんだよ!?聞きたいんかい!!

「あー。きもちー」

リクエストに応えて、また白目で親父みたいな声を出す。

「ははは!やべーそれ。ツボだわ」

欲しがりだな塁は。

「ははは」

「ちょ!その声で笑うのはなし」
注文が多いよ塁ー。

塁は、爆笑しちゃってるし。

「ははは」
つられて、やっぱり親父の声で笑う。

「やめろって」

結局、せっかくのマッサージも2人でツボに入って爆笑して終わった。
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